Capital/Core 001-1117
以下は、ストレフォン皇帝陛下が1117年の祝日(Holiday, 1117)に述べられたお言葉からの抜粋です。
イシス女史(Lady Isis)へ:
あなたと私の娘とは同じ日に生まれ、共に成長し、今、歴史上最も偉大な恒星間国家である第3帝国のキャピタル(Capital)にある。あなた達が娘らしく陽気に遊び笑うことができたのは、帝国の軍事力と軍を支えるリーダー達の職務への献身とのおかげであり、感謝の気持ちを忘れてはならない。
今、あなたは少女であることを止め、リーダーの一員となった。あなたを、そしてあなたの経歴を見ていると、まるで自分の娘が大公になったかのように感じることがある。もちろん、私の娘には更に強い責務を負う日が来ることも分かっている。そのことを思うと、イシス=アレポ(Isis Arepo)よ、私は大きな誇らしさと悲しさとを感じるのだ。
あなたが、あなたの父親であり、私の友人であったデュリナー(Dulinor)のように強くあるであろうことを誇らしく思う。
あなたが、父親のものであった役割を負い、かつてはあなたの父親の民であり、今やあなた自身の民である人々を、より良き未来へ導くであろうことを誇らしく思う。
そして、あなたがもはや笑顔の似合う少女ではなくなったことを悲しく思う。
イシス=アレポよ、あなたの手には民の生と死とがかかっている。
イシス=アレポよ、あなたの名前に敵はおののき、異星人からは尊敬を、臣民からは称賛が寄せられるであろう。しかし、あなたの父親が注いでくれたような愛を得ることはないであろう。
イシス=アレポよ、時が来ればあなたも殉死する日がくるかもしれない。あなたの父親のように。
今私の手には、あなたの地位、あなたの父親の地位であるイレリシュ大公(the Archduchy of the Domain of Ilelish)のサークレットがある。一度これがあなたの額に触れれば、あなたは今までのあなたではなくなる。
あなたが、父親に愛される娘でいられるのもこれで最後だ。父親を忘れないでほしい、私を忘れないでほしい、アルベラトラ(Albellatra)の野原でシンシア(Ciencia)と過ごした明るい日差しに包まれた午後の一時を忘れないでほしい。
そして…
ここに、皇帝はサークレットをイシス女史の額にあてる。
今、汝は何者の娘でもなく、娘に戻ることもない。
私はここに第2代イレリシュ大公(Aechduchess of Ilelish)、イシス=アエラ=イレシアン女史(Her Grace Isis Arepo Ilethian)を紹介する。称賛と誇りと献身と尊敬と、そして必要とあれば畏怖をもって彼女に接せよ。
ノリス候爵へ:
ノリス=アエラ=アレドン(Norris Aella Aledon)、帝国の守護者よ。ここキャピタルは多くの宇宙船の壁と多くの星域とによって守られた安全な場所だ。私は、ここで汝が「スピンワードマーチ(Marches)の守護者」と呼ばれるのを耳にした。今私は汝を「帝国の守護者」と呼ぼう、そしていずれは人々もそう呼ぶようになるであろう。
これほどの多くの敵性帝国による侵略を防いだ候爵がいただろうか。これほど多くの闘いを越えてきた辺境があっただろうか。
我々の伝統的なやりかただけでは、いかに優秀な貴族と言えども汝以上にうまくはやることはできなかっただろう。もはやこれ以上言葉はない。汝を部下として持つことは私にとっては名誉であり大いなる喜びである。汝が作り上げ保ち続けている塁壁に守られた11000の世界にとっても、又喜びである。
帝国は汝と汝の率いる強力で優秀な市民とに恩義を感じている。その恩を今日に返そうと思う。より多くを汝に与えることではなく、より多くを汝に求めることによって。若く、活力ある、力強き領域の指導者たれ。我らの期待に応え、より優れた任務の遂行者たれ。我らが汝に負わせし重荷を誠実にこなす精進者たれ。その証となるサークレットを汝の額に置かん。
ここに皇帝はサークレットをノリス候爵の額に置いた。
立ちたまえ、ノリス=アエラ=アレドンよ、初代デネブ大公よ。
我らとともに立ち、平時においても戦時においても、星々の王冠、この帝国を守れ。我らのためにスピンワードマーチの灯を守れ。我らが子供達とそして子供達の子供達のために、明るく輝く灯を守るのだ。
訳注
"Keep the Flame"は、トラベラーではよく出てくる台詞です。メガトラベラー・TNEの世界で、ウィルスにより帝国が崩壊したときにも、ノリス大公はこの言葉を使って市民を鼓舞しています。
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