Mithras/Spinward Marches 078-1117


本日、デネブ領の更生局管理委員会(The Domain of Deneb's Office of Corrections administrative board)は、ミスラス(Mithras)星系での犯罪者更生実験を続行することを決定しました。第四次辺境戦争の直後に設立されて以来、ミスラスは囚人惑星として運営されています。ミスラスでは、厳しい環境を生き抜くためにお互いの協力が不可欠なのです。


「我々はここでの成果に誇りを感じている」とワーデン=パベル=レンコ氏(Warden Pavel Renko)は宣言します。「囚人達はお互いに協力し合うことを学び、ここを出てからも有用な技術を磨いている。植民局(Colonial Office)が新しい植民地を作るときに、ミスラスの出身者が大勢働いているのだなんて、なかなか信じてもらえないだろうな。」


しかし、ミスラス刑務所に対する批判がないわけではありません。たとえば、委員会のメンバーであるエドワード=レギス(Edward Regis)氏のようにミスラスを「帝国で起きている犯罪の根本原因から目を背けることになるだけだ」と見る人もいます。「犯罪者を『治療』するためにわざわざこんなところに運んでくるよりも、まず犯罪が起きた理由に目を向けるべきだ」と。


訳注
 ミスラスの囚人はかなりの自治権が認められています。もちろん、軌道上には海軍の軍艦が常駐しており、無許可での接近は禁じられています。



Ω