Capital/Core 360-1117


この数年、貴族の子女の間では様々な流行が見られましたが、最近のはやりは「エスニック」風ドレスのようです。これらのスタイルの多くは、ダーミン(Darmine)やルドゥック(Rudukk)のように数世紀に渡って強く否定されてきた文化に源流を持っています。若者のファッション記録の中だけだとしても、こういったことが目立つのは帝国の主流の中に長い間埋もれてきた文化が復興しつつあることを意味しているのでしょうか?


「それは一つの解釈だな」クレオン帝国美術館(Imperial Cleon Museum)の歴史学者エドバード=シリン教授(Professor Edvard Syrin)は語ります。「そして、それなりにもっともらしい。デュリナー大公(Archduke Dulinor)は、イレリシュ領域(Domain of Ilelish)の文化の確固たる守護者であった。彼は数世紀に渡って無視されてきたセラート(Suerrat)文化の復活にも尽力した。


もちろん、こういった文化復興には、政治的な意味合いもなきにしもあらずだ。皇族の風変わりな若者の間でビラニ(Vilani)風ファッションが最近はやっているのを見れば分かるだろう。


結局、さっきの問題に対する決定的な答を言うのは難しいのだ。別のものが流行する、という以上のことを示さない限りはね」



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