Capital/Core 362-1117


デュリナー大公(Archduke Dulinor)は生きているのでしょうか?海軍(the Imperial Navy)が前イレリシュ大公は何者かによる殺人事件の被害者となり昨年の爆発で死亡したと結論付けたにも関わらず、「デュリナー大公を見た」というのは帝国中の多くの星で聞かれる話です。どの話も詳細さが欠けており、何人かの前に現れて短いスピーチをしたとか、小さな宇宙船の乗客となっていたとか、病院に患者として入院しているとか、そういったものです。いずれのケースも、実際に見た人が見つかることはありません。


「全部、又聞きとか、又又聞きとかなんですよ。」と語るのは、首都にあるシリア大学(the University of Sylea)の元民族学教授サイモン=ミノリ=マサル博士(Doctor SimoneMinori-Maasaaru)です。「有名人が死んだ後には、こういう話が広まるのはよくあることです。私は、こういう話に願望充足の様式が見られるように思います。話を広める人達は、有名人が逝ってしまったと認めたくないのですよ。」ミノリ=マサル教授は話の広がり方を調べており、出版予定の本の一章を割いて発見の内容について公表するつもりとのことです。



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