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 月に一度の宮殿警護兵の交替が本日ありました。しかし、宮殿ウオッチャーによると、儀式がいつもよりやや遅れたとのことです。帝国警護兵の制服は非常に似通っており、あまり詳しくない人には識別が困難です。ただ、帝国の制服に詳しい現地のミリタリーマニアに言わせると、個々の違いは昼夜程にはっきりしたものだそうで、更に、彼女はここ3週間はアンタレスの警護兵がずっと任務に就いていると証言しています。

 「アスラン人は簡単に分かる」と、『帝国警護兵の制服と装備(1080〓1110)』の著者ミナロ=ハルトユナミ(Minaro hault-Yunami)氏は語ってくれました。「それに、海兵隊はえび茶色だから非常に目立つ。しかし、アンタレスとイレリシュの差異は襟章と肩章の細かい部分だけで、ビデオ映像で見ただけでは判別しがたい」ミナロ氏は我々一般市民と同じビデオ映像を見ただけで、どうやって違いを見分けたのでしょう?

 「毎日、皇帝陛下がイリジウム玉座に向かわれる途中で大会堂(Long Hall)に入られるとき、警護兵の一団が陛下を先導する。各週の初め、警護兵達は普段の礼服ではなくバトルドレスを身にまとうのだ。イレリシュの警護兵が着用するバトルドレスは右の胸当ての部分に黒の縁どりがしてあるが、アンタレスの警護兵のものはそうではない。微妙な違いだが、しかるべき目を持った人なら見分けられるのだ。」

 このことにどんな意味があるのでしょうか?「憶測に過ぎないが、イレリシュの警護兵は大公の喪に服するために引き下がったのではないだろうか。珍しいことだが、前例が無いわけではない。最後にこんなことがあったのは、アルベラトラ皇帝(Arbellatra)時代の帝国暦632年のことだ。」


訳注
 メガトラベラーの世界では、イレリシュ親衛隊は皇帝暗殺に合わせて宮殿制圧を試みています。つまりイレリシュの部隊はデュリナーの事故死により、早々に撤退を始めたと考えられるのです。
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