Capital/Core (2118-A586A98-F) 262-1116


帝国調査委員会の1ヶ月に渡る徹底的な調査にもかかわらず、113-1116におきたデュリナー大公の私船爆発事件については、大公閣下が爆発で死亡したのかのみならず、当該船に乗船していたのかどうかも分からないままです。公式記録では大公閣下はいまでも「行方不明。死亡と推定される」とされています。爆発は事故ではなかったという主張も有力で、今のところ唯一の結論となっています。


「サーゴンの乗組員からは、大公とスタッフは船に乗ったという証言を得ている。」調査委員会筋のある人物は述べています。「しかし、その痕跡はない。大公の痕跡は何もないのだ」複数の乗組員の証言によると、デュリナー大公の旗艦である巡洋艦サーゴンが小艦発進させたとき、小艦には通常のクルー2名に加えて、水先案内人、デュリナー大公、顧問団14名、ボディーカード3名、各人用の荷物を積載していたとのことです。爆発は非常に強力だったので、五体満足な遺体は一つもなく、DNA鑑定やその他の証拠からも19人の乗客のうち16人までしか身元が判明していません。


「破損パターンから見ると、3つの別々の爆発が同時に起っており、乗客区画を完全に破壊するように計算されていた。」匿名の情報筋は伝えています。「爆発は全て、通常は荷物が置かれている位置で起きたと突き止められている。」しかしながら、デュリナー大公自身の命令で、荷物の積み込みはボディーガードの監視下で行われており、更に、警護スタッフが荷物の積み込みを監視し出発まで見届けることになっています。この命令が守られていると仮定すると、少なくとも一人の犯人は犠牲者と運命をともにしたことになります。


匿名の情報筋は、調査委員会はいまだにデュリナー大公が爆破の目標だったかどうか確信を持てていないのだと強調しています。ただ、「この点について言えば、それが本命なんじゃないか」と語っています。



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