Ilelish/Ilelish 173-1118


173-1118に受信。


イレリシュ(Ilelish)首都アニタラ市(capital city of Anitarra)の政府議事堂(the Government House)周辺でデモが起きています。デモ隊はセラート保護主義者(Suerrat preservationists)の一部です。彼らは、イレリシュの若者が第一言語として帝国標準語(Galanglic)を用いることが多くなっていることを特に問題視して、本星への帝国文化の「侵蝕(encroachment)」であるとみなしています。


文化的虐殺以外のなにものでもない」デモ隊の広報担当のセンヴァアト・マハパット氏(Sen-vat ma-Happat)は説明します。「デュリナー大公(Archduke Dulinor)は、我々の抱える問題を理解していて、我々の生き方を守る策をとる準備をしていた。しかし、娘さんは父親の政策を引き継いでくれるだろうか?帝国は、我々が本来の生き方を失わないように何か助けてくれただろうか?我々の独自性を理解することもできないようなふぬけた帝国文化に、我々自身が取り込まれていくのを座視するわけにはいかないのだ。」


イシス大公(Archduchess Isis)からの公式なコメントはありませんが、政府筋のある人物は匿名を条件に「別に目新しい話ではない。セラート過激派は、何世代にも渡って帝国に脅しをかけ続けている。前大公は、自分の帝国刷新運動に彼らを取り込めば対立を避けられると考えていたのだ。現在では、そのアプローチは愚行だと見ているがね」と説明しています。


訳注
 セラートは現在イレリシュ(Ilelish)に住んでいます。
 恒星間移動を実現していましたが、その手法が世代宇宙船(generation ships)を使ったものであり、ワープドライブを開発したのではなかったため群小種族(minor race)に分類されています。
 メガトラベラーサプリメント "Aslan & Solomani" にイラストがあります。
 デュリナー前大公のセラート支援については、360-1117にも記述があります。



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