Capital/Core 030-1123


著名な恒星間歴史学者(Interstellar historian)のジュリアン・トレイン教授(Professor Julian Trane)が、本日、キャピタル(Capital)滞在を延長すると発表しました。シリア大学(University of Sylea)での上級セミナーが好評であることと、帝国公文書(Imperial archives)の研究に当初予想以上の時間がかかっていることとが理由です。


トレイン教授の研究は、歴史的傾向には反復的な性質があるという問題を取り扱っており、すばらしい成果を示しています。本日付のプレスリリースによれば、教授は「内戦期(Civil War Era)以降、現在の帝国につながるような歴史的傾向を見いだした」とのことです。トレイン教授は詳細な説明は断り、ストレフォン皇帝の誕生日や最近の出来事への関連も否定しています。「正式発表したときには統べたが明らかになるだろう」と述べています。


訳注
 関連情報は、300-1119



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Capital/Core 025/1123


今年最初の大規模社交行事は、027/1123にカルビイリ校(Karbiili School)キャンパスのマツシャンスキー記念館(Matuschanski Memorial Hall)で開催される予定の、キルドハック伯ヴィェナ・アマルフィ・ジルンカール夫人(Countess Vienna Amalfi Zirunkaar of Quildhac)の110歳の誕生パーティです。伯爵夫人は同校の元教師で、カルビイリ同窓会(Karbiili Alumni Association)からも高く評価されています。同窓会のメンバーは、帝国貴族社会を動かすメンバーの少なからぬ数を占めており、シンシア・イフォジニア皇女殿下(Grand Princess Ciencia Iphegenia)やイレリシュ大公イシス公爵夫人(Duchess Isis of Illelish)などの著名人も含まれています。記念館には伯爵夫人を祝う2000名を超える出席者が見込まれています。晩餐会出席者数は180に限られているため、夫人は来訪者一覧を求められており、晩餐会への招待をキャピタル(Capital)における最も手に入れにくいものにしています。


夫人は帝国社会ならびに政府についての率直な物言いで名高く、皇室を含め、最高位貴族一族についての内部情報を押さえていることでも広く知られています。


「ずいぶん昔に作らせた特別のソファがあります」彼女はかつて語ったことがあります。「2カ所の場所がございまして、一箇所には我が一族の紋章が刺繍されております。もう一カ所には伝説についての刺繍がされております。良いお話が何もございませんでしたら、こちらにいらして私のお隣におかけになるとよろしいでしょう」



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Capital/Core 020/1123


お騒がせ作家のジャミソン・メレンデツクィズル(Jamison Melendez-Kyzl)氏は、ジェフリー・ロング(Jeffrey Long)氏失踪に関わる証拠があると主張しています。ロング氏はフェニックス・サン・ニュース(Phoenix Sun news)(本社:テラ・ソロマニリム(Terra/Solomani Rim))の元記者で、「ハイパースペース酔(hyperspace sickness)として知られる症状についての一連の記事の作者で、症状についての証拠があると主張は軍や産業界の陰謀によって弾圧されているというのです。1118年、ロング氏は何らかの心的障害の治療を受けていた私立治療施設から姿を消しています。


メレンデツクィズル氏はロング氏の失踪が、記者の信頼を損なうことを狙う軍産上層部による帝国規模の陰謀による結果であるとの証拠を発見したと主張しています。氏は今月末に発売予定の最新刊「作られた狂気(Manufactured Madness)」で証拠を発表するとのことです。


訳注
 関連ニュースは 358-1117, 007-1118, 045-1118, 062-1118,098-1119, 121-1119



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Capital/Core 001-1123


ストレフォン皇帝陛下(Emperor Strephon)は、本日、イリディウム玉座(Iridium Throne)より新年の祝辞を発せられました。第三帝国(Third Imperium)が新たな力を得たことを強調する内容です。


「10年前、私は我らの帝国をまとめ上げ、新たな力と新たな目的観とを与える重要な歩みを進める決心をした。私の立場にあっても、一時にこれほど多くの世界に影響を与える道筋を描こうとすれば、過ちを犯すリスクもまた避け得ない。しかし、私は、刮目に値する成功を得てきたと信じている」


「成功のはかり方には幾つかあるが、比較的平穏な時期を満喫しているということに成功を見ることができよう。問題の発生が未然に防がれていることに気づく者はほとんどいない。しかし、帝国の基礎を異なった方向に向けるような衝撃を起こしかねなかった事件を、この10年の間に少なくとも4つあげることができる。それを防いだのは、高位の貴族から最底辺の人々に至るまでの数十億人帝国市民による献身的な努力である。」


「我らが諸大公、中でもイレリシュ大公イシス(Isis of Ilelish)、デネブ大公ノリス(Norris of Deneb)、並びにソル大公アデール(Adair of Sol)には特別の謝意を表すべきである。いずれもが疲れを知らぬ働きぶりを示し、我らが帝国を守り、力強さを保つことに大いなる成功を収めた。」


「皇族も、大公も、一人では帝国をまとめ上げることはできない。しばしばあることだが、犯罪が犯されたり、危機の最初の兆候が現れたりしたとき、そこにいるのは、個人として生き延び、繁栄を求める以上のことは望まない普通の市民である。しかし、こういった一般市民の行動が、こういった星々への探検が、混沌を放置するよりも封じ込めることの方が多いのである。忠誠、正直さ、自発性といった我らが帝国の理想は、数兆人の帝国市民の中に豊に実り続けているのである。」


「我らが前にあるこのような実例とともに、我らは進み続ける。我らが帝国が永続的な組織であることを知っており、自信と不屈の意志とをもって進み続ける。我々の発明の才能と伝統への敬意とを保ちながら進み続ける。未来へと、誰もが避け得ぬ未踏の国へと、進み続ける」



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Terra/Solomani Rim 350-1122


イオランス皇后陛下(Empress Iolanthe)は本日、ついに帝国海軍部隊に付き添われ、個人船でテラ(Terra)を離れ、コアワード向けのジャンプポイントに向かいました。


出発前、皇后陛下は声明を発表され、テラ市民に対して長い滞在の間の暖かいもてなしに感謝を述べました。「ほんの1年では、人類の故郷を充分堪能したと言うにはほど遠いものです」皇后陛下は述べられました。「しかし、そろそろ私の属する場所へ。夫の元へ戻る時です」


別のニュースですが、モルガン・ウェスト調査会社(Morgan-West polling service)は、現在皇后陛下が「テラ史上もっとも著名なヴィラニ人である」ことが分かったと発表しました。独立系アナリストの中にはこの結論に反対の論拠をあげるものもいますが、テラ市民の間で皇后陛下が広く知られるようになったことには同意しています。



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Home/Aldebaran 340-1122


ホーム(Home)近辺地域での戦闘の影響で、ソロマニ政府(Solomani government)の上層部でクーデターがあった模様です。


トラベラー・ニュース・サービス記者によれば、マーク・チッサノ書記局長(Secretary-General Marc Chissano)政権の全高官が惑星のコミュニケーションネットから姿を消したとのことです。書記局長自身は、現地時間で8日間に渡り姿を見せていません。最後まで残っていたキャサリン・レザレ司法大臣(Minister of Justice Catherine Lesalle)も、52時間前の文書のみの声明を最後に姿を消しています。


主要都市および重要拠点は現在、郷土軍(Home Guard)、ソロマニ・セキュリティ部隊(Solomani Sceurity troops)、並びに軌道上のタスクフォースから派遣された海兵隊の混合部隊によって占拠されています。突発的な暴動は続いていますが、チッサノ政権支持者が戦闘継続よりも降伏を選ぶにつれて、縮小しているようです。占領軍は今のところ、市民集団との接触を注意深く避けています。


ナショナリスト派のリーダージャン・マリコフ氏(Jan Malikov)は、首都の書記局ビル(Secretariat Building)から姿を現し、用意していた短い声明を読み上げました。氏は臨時政権発足を宣言し、連合の全世界に対して、新たな書記局員を選出する特別選挙の実施を求めています。


「これからが大変だ」氏は出発前に、海軍上級士官およびソロマニ・セキュリティ高官等を前に語りました。



訳注:
 とうとうソロマニ連合の内紛は首都星系でのクーデターに発展しました。



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Home/Aldebaran 333-1122


ホーム(Homeソロマニ連合首都)駐在のトラベラー・ニュース・サービス記者は、ソロマニ首都のジャンプ到着点を中心に、大規模な艦隊戦の兆候があると報告してきています。


戦闘継続中にもかかわらず、侵入側艦隊は民間チャネルに無数のラジオ放送を流しています。おそらく、ジャンプから通常空間に姿を現したらすぐに遅れるように事前に録音されたものでしょう。放送では、ナショナリスト(Nationalist)側の支持指導者ジャン・マリコフ(Jan Malikov)氏が「全ての忠実なるソロマニ市民」に対して「憲法と法に背く裏切り者マーク・チッサノ(Marc Chissano)政権」に対して直接行動を起こすよう呼びかけています。


ホーム星系の住民にマリコフ氏のアピールがどれほどの反応を呼び起こしているのかは、現時点では不明です。首都および主要都市では、爆発や散発的な銃撃があったとの報告もありますが、星系の昼間サイドでも一般市民の大半は屋外には出ていないようです。


チッサノ書記局長(Secretary-General Chissano)はこの52時間所在がわかりませんが、スタッフからの発表によれば、とある場所で惑星防衛を監督しているとのことです。連合(Confederation)トップの行政官であるキャサリン・レザレ司法大臣(Minister of Justice Catherine Lesalle)は、記者会見で「ソロマニ人民に対する裏切り者」を断固打倒すると約束しました。ソロマニ・セキュリティ調整官(Solomani Security Coordinator)エリアス・トレレベン(Elias Treleven)氏が珍しくメディアに姿を見せ、市民に対して、危機が解決されるまで落ち着いて自宅にとどまるよう促しました。



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